いびきと歯ぎしりと睡眠時無呼吸症候群

いびきと歯ぎしりと睡眠時無呼吸症候群

いびきの原因は、空気の通り道である上気道が狭くなることにあります。

上気道が狭くなると、呼吸したときにそこを通る空気が、喉の奥の粘膜を振動させ、うるさい音を発生してしまうということが起きるのです。

睡眠時無呼吸症候群は、もっとひどい状態で、呼吸の際に空気が通る気道が、狭まるだけでなく、塞がってしまうことで起きるものです。

寝ている間に、気道がふさがって呼吸が止まってしまい、その状態が長く続くことを、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)と言います。

睡眠時無呼吸症候群になると、寝ているときに呼吸が止まってしまう、いわゆる、無呼吸状態が、繰返し起きるようになります。

無呼吸状態がくり返されると、眠りが浅くなります。

十分な睡眠が取れないと、疲れが取れず、日中に強烈な睡魔に襲われたり、いちじるしく集中力が落ちたりします。

実際に、睡眠時無呼吸症候群の患者で、運転中に居眠りをしてしまい、事故を起こしてしまったという例もあります。

交通事故

しかし、寝ている間に呼吸が止まることが一度でも起これば、すべて睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

睡眠時無呼吸症候群は、一回の睡眠あたり10秒以上の無呼吸状態が30回以上続くことだと定義されています。

また、睡眠1時間で、無呼吸の状態が5回以上あることだとする定義もあります。

睡眠時無呼吸症候群を治療しないで放置すると、死亡という最悪の事態に陥る可能性もありますので、症状を適切に分析し、診断、治療、改善、予防など、しかるべき対処をすることが必要です。

また、睡眠時無呼吸症候群と歯ぎしりとの関係にも、注目が集まっています。

アメリカでの研究結果から、寝ている間に歯軋りをする人には、睡眠時無呼吸症候群のような症状が出ることが多いということが、明らかになっているのです。

いびきだけでなく、歯ぎしりもうるさいと、人については、一層の注意が必要ということになるでしょう。

呼吸は人が生きる上で絶対に必要なものですから、当然、無呼吸の状態は恐ろしく、無呼吸状態が長く続けば続くほど、体内の酸素不足は深刻になってきます。

体内の酸素不足は、循環機系の臓器に負担をかけ、最悪の場合には、突然死という可能性もあります。

いびきや歯軋りがひどい場合には、専門医の診断を受けて、すぐにでも悪い状態を改善していくことを心がけてください。